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『蟲師』第9話「重い実」

今回のお話、原作でも読んでいるのですが、アニメになると以前読んだ時とはまた違う様に感じますね・・・。

今回は、蟲と言うよりはその源泉ともいえる光酒に近い「ナラズの実」。埋める事により、その地に一年の豊穣をもたらすがその代わり一人の人間の命を奪っていく。
よく、お話のテーマとして「一人の命を引き換えにする事で多数の命を助ける事が出来る」ってのはよくあり、その事に苦悩する様は、ある意味お約束とも言えるのですが、この辺りの描写がアニメになる事で、より深く印象付けられました。
やはり、一人の犠牲で多数の人が助かると言うのなら、どうしても人間はそちらを選んでしまうとは思います。そしてこのお話の祭主は、20年前の凶作の時にナラズの実を使用したのですが、その事により妻を失ってしまいます。
どんなにきれい事を言っても、やはり身内の命が奪われてしまうのは、どうしたって辛い事です。そして、その犠牲による豊穣で得た米を食べる事は、愛する人の血肉を食べる事と同等とも言えると思います。どんなに辛くても、人間は空腹を覚えますし、そんな米でも自分の血肉となり命を永らえる訳です。本当に「重い実」です。
仕方の無い事なのですが、とても辛い・・・。
そして、祭主はこれで最後と今回もナラズの実を使用したのです。もちろん犠牲になるものは自分であるようにと、服毒までして。
そして、自分から取り出されるナラズの実を、次の祭主となるサネにもう使用出来ない様処理を頼みのですが、ここでギンコはある提案をします。
蟲師にとっては禁じ手とも言える、ナラズの実による死者の蘇生です。この土地を愛し、自分の命すら投げ打つ祭主を見ての判断なのでしょう。「あんたが言わなきゃバレやしないよ」と言う辺り、ギンコの人間臭さも現れていますね。

そして祭主は、ナラズの実により蘇生します。ですが、既に人ではありません。奇妙な伝説として伝わる、諸国を旅しては村に戻りあらたな農耕の知識を与える不老不死の者として。
「村の行く末を見届けたい」その強い思いから選択した答えではありますが、もし時を経て村人達が田畑を捨ては廃村となったとしても、彼は生き続けて行くしかないのだろうかと思うと、切なくて仕方がないです。

今回の美術もやはり美しいです。村の夕焼けは勿論の事、とにかく米や稲穂に対しての力の入れようが、更にこの話を彩ったと思います。手から次々とこぼれ落ちる米の描写を見ているだけでも辛くてしようがなかったです。

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